百円玉の貴重さ

百円玉の貴重さを肌で味わったということは事実かもしれないが、どのように考えても無理があった。  巨大化した日本経済の取るに足らない一片は、多くの主婦が関わる安賃金の内職に支えられているのかと、一つの厳しい現実を垣間見た気がしたことを思い出す。 その後、三女が小学校に上がるまで、内職やパ トの類は長期休業だった。ちょうどその頃、千葉から八王子に引越すことになり、知り合いになったばかりの隣人から、ケーキ材料のアルミカップを小分けする内職話を聞き付けた。三人娘の登校後の空き時間を当てることにしようと思い始めた。七年ぶりの内職復帰であった。 休日には娘三人が母親の小分け作業の手伝いをしたりと、皆で賑やかにしていたこと を思い起こす。内職を通じ、母親と娘三人が和気あいあいと時間を共有している光景は、 ほほえましかった。今のように家族が全員揃いにくい現状を振り返れば、とても貴重な  l 時間を過ごせた時だったのではないだろうか。ワイフにすれば、勉強を通じてではない子どもの援や触れ合いの一環、と捉えていたようである。父親としても、娘達の成績を深刻に感じる学年でもなかったと思っていた こともあって、実に穏やかなひと時であったと今でも思えてくる。    三人娘の小学校通いが始まるとともに、わが家でもご多分に漏れず、ワイフが送り迎 えや授業参観、保護者の集まりなどを全面的に引き受けてくれた。このように学校への出入りを通じて、もともと頼まれれば嫌とは言えない人の良さか ら、ワイフは の仕事を引き受けることが多くなっていった。

出典元:介護職員初任者研修を最短取得